昭和40年創業時から、カウンターで寿司屋風におにぎりを素手で握るという伝統を守り続けています。その手法は代々受け継がれてきたものです。
一見すると簡単そうに見えますが、一人前の職人になれる人はほんのわずかです。たとえ一人前になったとしても所詮は手作りで、おにぎりという低単価商品ですから短時間に大きな儲けはできません。
もっと楽をして儲かる事をしようと思い、やめようと思ったこともあります。たしかにお金儲けだけを考えるとこの商売は難しいと思います。
昭和40年に先代の私の父が開業し、「長崎では呑んだらかにや」とまで言われるようになったのは代々お店を支えてくだっさたお客様のおかげです。
私は伝統を守り続けていく責任があると思っています。
デジタル化した慌ただしい時代の昨今ですが、お客様が「変わらない味、ほっとするひととき」を感じていただけたら、お金には代えがたいなによりの利益だと思っています。
かにやには年配のお客様で、「若い頃に飲みに来たときは必ずおにぎりを食べて帰ってた。」「昔はよくお世話になった」とおっしゃる方々が大勢いらっしゃいます。
親子三代で通っていただいてるお客様も珍しくありません。
ある日、20年ぶりにお越しくださったお客様がこうおっしゃいました。
「20年ぶりに長崎に帰ってきたので、寄ってみたけど全く昔の味と変わらなくて良かったです。ほっとしました。」
私はそう言われたとき、かにやにはお客様の想い出もたくさんつまっていて、かにやがとても大切なところだと感じました。
味というのは日々向上させて初めて「昔と変わらない味」と言われます。
こういったお客様のたくさんの想いをこわさないように、かにやのコンセプトである「変わらない味、ほっとするひととき」を守り続けていきたいと思います。
かにや銅座本店 店長 松本 孝平
かにやのこだわり 〜米〜
当店ではSランクの新潟県産コシヒカリ使用しております
かにやのこだわり 〜海苔〜
かにやは海苔にもこだわります。柔らかくとろけるような甘さとのどごしから日本一と賞される「有明最高級海苔」を使用。おにぎりのおいしさをさらに際立たせています。
かにやのこだわり 〜塩〜
伯方の塩は、「塩かどのないからさ」で、塩味の中にほんのりとした甘さを感じるのが特徴。「にがり(苦汁)」をほどよく残し海水中の成分を生かしてつくった風味のあるお塩です。